午前0時のシンデレラ
ーーパーティーの当日、
「一条社長、今夜はご同伴のパーティーがあるのでしたよね? パートナーの方がお決まりでないのでしたら、私が……」
「……大丈夫だ」
と、永井秘書に断りを入れると、
「……本当ですか?」
と、やや驚いたようにも見た。
「ああ、もう決まっているから」
言うのに、
「……お珍しいですね」
驚きを隠せない様子で口にする。
「……そうだな…珍しいかもな……」
呟いて、ここ最近は女性にすらあまり興味を持てなくて、ずっと秘書ばかりを連れていたことを思い出した。