午前0時のシンデレラ

「新しい恋人の方がお出来になられたのですか?」

長く俺に付いている彼女は、たまに少し突っ込んだようなことも訊いてくる。

「……。……まだ、恋人という程でもない」

つい素直に答えて、何を言ってるんだとも思う。

「…とにかく、相手はいるから、今日は君も早めに帰るといい」

「わかりました」

彼女は一礼をして、くすりと小さく笑うと、社長室から出て行ったーー。



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