午前0時のシンデレラ

ーー夜になり、彼女と待ち合わせて会場を訪れた。

「……あの、服装はどうしたら……」

会場の華やかな雰囲気に、彼女が気後れした風で言う。

「服は、俺が用意したのがあるから大丈夫だ。ここはヘアメイクもいるから、整えてもらうといい」

メイクルームに案内をして、「俺は外で待っているから」と、送り出した。

「……はい、すいません。いろいろとありがとうございます」

また頭を下げるのに、

「謝るなよ。俺がそうしたいんだから、気にしなくていいと言っただろ」

そう返すと、

「はい…」と、彼女は頷いて、

「では、準備をしてきますので」

と、メイクルームのドアを閉じた。


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