午前0時のシンデレラ

お互いに無言でいたところへ、また間が悪くもさっきの元恋人が現れたーー。

「……ふふ、酔い覚ましに出てみたら、いいものが見れたわ」

口元に微笑を浮かべて言うのに、

「……何をだ」

と、睨む。

「今、キスしようとしてたでしょ?」

見られていたのかと思ったら顔が赤らむのを感じて、片手をあてて覆い隠した。

「……隠さなくてもいいじゃない、京生? もう見ちゃったんだから……」

言って、彼女の方へと視線を移すと、

「彼のキスを拒むなんて、あなたってずいぶんと自信があるのね?」

と、笑って見せた。


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