午前0時のシンデレラ

飲みながら、今夜のことを思い出してみる。

……少しは、脈がありそうにも見えたのにな…。

時折り彼女が見せていた、はにかみの表情が思い浮かぶ。

なのに、俺のこの手には落ちることもないのか……。

自分の両掌をまじまじと見た。

「……俺も、お手上げかよ…」

アルコールを流し込むと、

「…くっ」

やり場のない感情が、胸元を駆け上がった……。

俺も、あの子の前だと大概弱気すぎるよな……。

再会したあの女とのことを思い出してみても、女性との付き合いであんなに弱腰になったようなことなどない気がした。



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