午前0時のシンデレラ

ーー社長室の照明が切れかかっていて、変えてもらうよう伝えた。

しばらくして、「照明を取り替えに参りました」と訪れたのは、彼女ーー浅見 栞 だった。

「……どうして、君が?」

尋ねると、

「……以前に社長が直接来られたことで、私が適任だろうって……」

そう答えるのに、

「まさかそれって…また、押し付けられたってことなのか?」

と、訊き返した。

「そうかもしれないですが、」

彼女は言って、

「だけど、大丈夫ですから」

と、笑顔を作って見せた。


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