午前0時のシンデレラ

「……すいません。社長には、お世話になってばかりで……」

「……謝るなよ、だから……」

抱いていた腕に感じる温もりに、視線を合わせられないままで言う。

「……でも、仕事の件でもお世話をかけたのに……また…」

「いいんだ……」

気の利いたことは相変わらず言えずに、

「……いいんだ」

くり返した。


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