午前0時のシンデレラ
彼女とは何の関わりも持てないまま、時間だけが過ぎていったーー。
仕事に追われる中で、ふとした隙にまた彼女のことを考えている自分がいて、何度も頭から振り払った。
「…この俺が、何もできないとかあり得ない……」
思うようにもことを運べずに、それぐらいしか言えないのが、ただ単純に悔しかった。
……仕事を終えて、ぶらりと外に出る。
今日は車で帰る気にもならなくて、出迎えを断っていた。
何処に行くわけでもなしに、ふらふらと歩いていると、
「おい、一条だろ? 何してるんだよ?」
と、呼びかけられた。