午前0時のシンデレラ
「……お料理、おいしいですね…」
言う彼女に、「ああ…」と、空で頷く。
「……あの…私とではない方が、よかったですか…?」
戸惑うような表情で訊かれて、
「…いや、違う…」
と応えて、
「……君は、俺とでよかったのか?」
ふと思いついて、そう返すと、
「はい」彼女は頷いて、
「先日のパーティーもそうでしたが、一条社長には味わったことのない体験をいろいろとさせていただいて、本当に感謝しています……」
そう話すのに、
「……感謝とかじゃないんだ……」
ため息をついた。