午前0時のシンデレラ
「えっ…でしたら、どんな感想を言えば……」
「感想を聞いているんじゃなくて……」
どうしてこうも伝わらないんだと思うと、
「……恋を、したことはあるのか?」
唐突に確かめたくなって、思い浮かんだままを口に出していた。
「……恋、ですか?」
首を傾げて、
「好きになったことは、何度か……」
口にするのに、
「付き合ったこととかは?」
矢継ぎ早に尋ねた。
「付き合ったことですか……」
一瞬、ためらうように口をつぐんで、
「……ないです」
と、彼女は答えた。