午前0時のシンデレラ
彼女を好きだという確信が持てたわけでもなく、なぜか気になって好きなように感じると……今の感情は自分の中でもその程度だった。
「……なんなのか、俺にもわからない……」
そんな言葉しか、どうして返せないんだと思う。
「そうですか……」
と、彼女は再び押し黙ってしまい、時間だけがいたずらに過ぎる……。
酒の量だけが増えて、飲むのが止められなくなる。
何杯目かのグラスを空けた時、
「……そろそろ、帰らないと、」
と、彼女が腕時計に目を落とした。
自分も袖をまくって時計を覗くと、時間は0時を迎えようともしていた。
「……また0時か」
ぼんやりと呟く。