会いたい、ただそれだけのことなんです。







「なに?」




りんねはお母さんを見ずに言った。




「お母さんは…………うちのお母さんじゃないの……?」




お母さんは一瞬驚いた顔をしたけど、すぐにいつも通りに戻った。




「………ごめんなさい、りんね。」




その瞬間、うちは風を切った。




まるで意識のない自分を操っているような気分になり、気づいたときには自分は走っている、ということがわかった。






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