そのプロポーズお断りします！

私は隣に座ったタイガさんの顔を見つめ返す。
…冗談を言っているようには見えない。

…私の力になりたいって思ってたの？

「タイガさん、あの日。
…タイガさんのおかげで私は変わる事が出来たって思ってるんです。
自分の力で母を支えて生きて行くって決心できた。
だから、十分力になってくれました。
…もう、私を気にしないでください。」

「まだ、奨学金って返してるよな。家にもお金入れてるか…
俺も一緒に奨学金返そうか？
俺は店を持ちたいって思って、貯蓄してるから、少しは力になれるよ。」

「何言ってるの？私は自分で使ったお金を返済してるだけだよ。タイガさんには関係ない。」

「…悠理、ひとりで抱えるな。俺にも何かさせてくれ。」

「…お金なんていらない。」

「じやあ、…
俺には料理しか出来ないから、 俺の作る飯を食べてくれないか？
栄養も考えて、美味いものをつくるから…
少しは、食費が浮くだろう。」
とタイガさんは真剣な顔をしている。


…どうしよう。
私の事情は、タイガさんには関係ないのに…


「悠理ちゃん、夕飯ここで食べたら？
どうせタイガは私に夕飯作るんだし…」

「？」

「私とタイガのルームシェアって、住居費は私持ち。
タイガは食費と食事を作る。ってなってるの。
私の方がお金を出してるようにみえるけど、私は結構稼いでいるから、それでいいの。
タイガとの暮らしてる事でトラブルが未然に防げる。
こんな、イカツイ男がそばにいれば、夜の仕事も安心でしょう。
必要な時は迎えに来てもらったりするのよ。
ギブアンドテイク。ってヤツ。」とチヒロさんが笑う。

「そうか。チヒロがいいなら、悠理も夕飯ここでたべろよ。
俺、悠理が好きなものを作るから。」

「タイガ、私が好きなモノも作りなさいよ」
とチヒロさんが怒った顔をする。

「チヒロはなんでも食うだろ。」とタイガさんは笑う。

笑顔は変わってないな。
とタイガさんの顔を見つめた。