そのプロポーズお断りします!
「車なら15分くらいだな。
明日から夕飯食いに来いよ。休憩時間に送るから俺を待ってろよ。」
とタイガさんはマンションタイプのシェアハウスの来客用の駐車場に車を停める。

「本当に夕飯を毎日食べさせてくれるの?…そんな事、しなくっていいのに…
確かに、私は奨学金を返してるし、仕送りもしてるけど…
贅沢ってするつもりもないし…きちんと生活しているつもりだよ。困ってない。」

「おまえさ、昔より随分痩せたよな。
まあ、今のおまえもいいけど、もう少し、グラマーでも良い。
…だからさ、俺のために俺の作った飯を食ってよ。」

「…高校生の時は太ってたってこと?!」

「いや、どっちも捨てがたいかな。
うーん。
でも、やっぱりもうちょっと肉をつけてから食うよ。」

と笑って言って、身を乗り出して私の頭を抱え、そっとくちづけをする。


襲わないんじゃないの?!

恋愛に対する免疫は皆無な私は固まったままだ。



タイガさんは私の様子を全く気にしていないように何度かそっとくちづけし、

「悠里、あの時、誰でも良かったのか?」と囁かれる。

…そうじゃない。って思ったけど、

黙って顔を背けると、

「明日、待ってる。」とそっと頬を撫でて、私から離れた。
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