そのプロポーズお断りします!
建物の入り口のオートロックのドアを開け、ぼんやりエレベーターの前に立つと、
「みーちゃった。赤い車から降りてきたでしょ」
優奈ちゃんがにんまり笑って私の隣に立つ。
「…そうだったかな…」
私が赤くなった顔を上に向けてエレベーターの表示を見ると
「赤い派手な車の運転席に金髪のイカツイ男が乗ってた。そのキスマークの相手?」
「…黙秘権を行使させていただきます」
エレベーターの開いたドアに澄ました顔を作って足を踏み入れると、
「もう、照れちゃって!」とドンっと背中に体当たりされよろめいてしまう。
「ワッ、優奈ちゃんの鍛えた身体とは違うんだから」と情けない声を出すと、
「文句は私の部屋で聞きます。」
と同じ階の向かいのドアの優奈ちゃんの部屋にそのまま連れ込まれた。
やれやれ。
「さて、夕飯食べた?」と優奈ちゃんが洗面所で手を洗いながら私に聞く。
「うん」
勝手知ったる優奈ちゃんの部屋のちゃぶ台の前に膝を抱え、不貞腐れて座ると、
優奈ちゃんは自分の前に帰りに買ってきたらしいコンビニ弁当と2本の缶ビールを小さな冷蔵庫から取り出し、
私の分だけ、コップも置いてくれる。
うーん。この取り調べは長くなりそうかなと諦め、
「手、洗わせて」と言って立ち上がると、頷きながらいただきます。と言ってコンビニの麻婆豆腐丼をパチリと開ける音がした。
フワリと山椒の匂いがする。優奈ちゃんは山椒をたっぷりかけて食べるのがお気に入りだ。
優奈ちゃんは体育教師でクラスの副担任とバレーボール部の顧問をしているから忙しいけど、
早く帰れた時は一緒にご飯を食べたり、少し飲みながらお互いの仕事の愚痴を言い合ったりする仲だ。
「みーちゃった。赤い車から降りてきたでしょ」
優奈ちゃんがにんまり笑って私の隣に立つ。
「…そうだったかな…」
私が赤くなった顔を上に向けてエレベーターの表示を見ると
「赤い派手な車の運転席に金髪のイカツイ男が乗ってた。そのキスマークの相手?」
「…黙秘権を行使させていただきます」
エレベーターの開いたドアに澄ました顔を作って足を踏み入れると、
「もう、照れちゃって!」とドンっと背中に体当たりされよろめいてしまう。
「ワッ、優奈ちゃんの鍛えた身体とは違うんだから」と情けない声を出すと、
「文句は私の部屋で聞きます。」
と同じ階の向かいのドアの優奈ちゃんの部屋にそのまま連れ込まれた。
やれやれ。
「さて、夕飯食べた?」と優奈ちゃんが洗面所で手を洗いながら私に聞く。
「うん」
勝手知ったる優奈ちゃんの部屋のちゃぶ台の前に膝を抱え、不貞腐れて座ると、
優奈ちゃんは自分の前に帰りに買ってきたらしいコンビニ弁当と2本の缶ビールを小さな冷蔵庫から取り出し、
私の分だけ、コップも置いてくれる。
うーん。この取り調べは長くなりそうかなと諦め、
「手、洗わせて」と言って立ち上がると、頷きながらいただきます。と言ってコンビニの麻婆豆腐丼をパチリと開ける音がした。
フワリと山椒の匂いがする。優奈ちゃんは山椒をたっぷりかけて食べるのがお気に入りだ。
優奈ちゃんは体育教師でクラスの副担任とバレーボール部の顧問をしているから忙しいけど、
早く帰れた時は一緒にご飯を食べたり、少し飲みながらお互いの仕事の愚痴を言い合ったりする仲だ。