そのプロポーズお断りします!
玄関で靴を脱がされ、まっすぐ廊下を進み、
暗い中リビングらしき部屋のソファーにドサリと降ろされたので、
私が慌てて立ち上がろうとすると、タイガさんが私をソファーに押し付け、固く抱きしめてくる。

「悠里、会いたかった。」

「や、やめてください。大声出し…」
『ますよ』の声はタイガさんのくちづけで遮られる。

「い…嫌…」激しいくちづけの間になんとか声を出すけど、

「嫌がるな。前にもしてるだろう。」

それって18歳の時だから…

タイガさんはくちづけしながら私のブラウスのボタンを外しだす。

「今は…嫌」とくちづけでされながら身をよじると、

「他に男がいるのか?!」とタイガさんは手を止め、私を強い眼差しで見つめる。

「…いません。でも…今タイガさんと恋人じゃない。」

「前の時も恋人ってわけじゃなかった。」

…そう。私が頼んで抱いてもらっただけだ。
オトナにして。と言って。

「…」私が非難のこもった瞳で見上げると、

「じゃあ、悠里、今から恋人だ。」とまた、深く唇を重ね、ブラウスの裾を引き出し、スーツのパンツのファスナーにも手をかける。

へ?

それって屁理屈!

私はタイガさんの背中を拳で叩くけど、頑丈な筋肉を持っていそうなタイガさんに
ちっとも抵抗できている気がしない。

このまま無理やり抱かれるのかもしれない…

そう諦めかけていると、

バタンとドアが開いて、バタバタと誰かが入って来て、パッと明かりがつき、

「この、せっかち!!強姦するんじゃない!!」とタイガさんを私から引き離す。

綺麗な女の人。
夜のお仕事?水色のドレスに派手めのお化粧、華やかな香水の匂い。
モデルさんのようだけど、力は強いみたいだ。タイガさんを突き飛ばして、
私の上に屈みこんでいる。

「…怖かった…」私はつぶやき、涙が溢れ出す。


「やっぱり。」と女の人はため息をついて

放心状態の私の服を直してくれている。
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