ウラガエシ

彼女の声が聞きたい。

こんなに聞き耳をたてるくらいなら、そばに行けばいいのに。

でも。

僕はこの階に相応しくない。

僕の、今の持ち場は別の場所であるはずだから。

たまたま通りがかっただけにしては、この制服でここに長居する自分に突然違和感を覚えて、逃げるように非常階段へと急いだ。

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