喫茶リリィで癒しの時間を。
思いっきり身体を伸ばした後、さっきまでジジィたちが座っていたテーブル席に座った。
突っ伏して目を閉じてみると、とたんに睡魔が襲ってくる。
ちょっとだけ、寝ちゃってもいいかな。
……いいよね、今日は閉店状態なんだし。そう勝手に自己解決して、少しだけ昼寝をすることにした。
――しばらくして眠りから覚め、重い身体を起こすと、肩に何かかかっていることに気づいた。
「おはようございます、冬馬くん」
「さ、さゆりさん! 帰っていたんですか」
さゆりさんの声を聞いて慌てたのか、完全にめがさめた。
どうやらさゆりさんがブランケットをかけてくれたらしい。本当に優しいな。
ああ、早く結婚したい。
「はい、すごくぐっすり寝ていたので、起こしませんでした」
「ごめんなさい、留守番頼まれていたのに。あ、今何時ですか?」
「今は……七時半ですね。お家の方にご連絡しなくても大丈夫ですか?」
「うちは門限ないんで大丈夫ですけど……しまったなあ、寝すぎちゃった」