喫茶リリィで癒しの時間を。
おまけ:アフターストーリー

■ジジ活。


 さゆりさんのお父さんが喫茶リリィにやってきた日から一週間が経った。
 もうすっかり秋めいて、長袖じゃないと寒く感じるほどになった。
 
 陽が落ちるのもだいぶ早くなり、アルバイトを終えて家に帰るころにはもう星が見え始めている。
 季節が移り変わろうとしていても、喫茶リリィは今日も通常運転だ。


「新しいメニューを考案してみました。ずばり、カボチャと栗と鶏肉のドリアです」


 ある日の午後、お客さんは例によって、いつものごとく、ジジィトリオだけだった。
 さゆりさんは俺とジジイたちに、新メニューの試食をさせようとしている。


「さゆりさん、さすがに栗は合わないんじゃないっすか?」


 栗って、料理にというよりはデザートに使うイメージがあるんだけどな。素直にモンブランとか、栗ぜんざいとかにすればいいのに。


「それが、意外といいアクセントなんですよ。騙されたと思って食べてみてください」


 さゆりさんは自信満々のようだった。

 
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