喫茶リリィで癒しの時間を。
「たしかに、そうかも。椿さんって、すげーカッコいいっすね。マジで尊敬しました」
「大げさだろう。でも、ここで出会ったの何かの縁だ。何か悩みごとがあったらいつでも相談してくれ」
家の前に車を停めると、椿さんはカードケースから一枚名刺を取り出して俺にくれた。
「ありがとうございます! これからもよろしくお願いします!」
「ああ、こちらこそよろしくな」
「あと、家まで送ってくれてありがとうございました。おやすみなさい」
「おやすみ」
俺は椿さんの車が見えなくなるまで、外で見送っていた。
大人の人に初めて名刺をもらった気がする。しかも、あんなにかっこよくて素敵な大人の男の名刺だ。
さゆりさんのことや、学校のことで悩んだら連絡してみようと思った。
また、喫茶リリィで新しい人との絆が生まれた。
やっぱり、あのお店は、人と人を繋ぐ場所なんだと改めて感じた夜だった。
おわり