喫茶リリィで癒しの時間を。
 
「――とてもわかりやすかったです。家内と契約する方向で相談させてもらいますね」


「ありがとうございます! 何かご質問があればいつでもご連絡ください。お待ちしております」


「こちらこそありがとう。あと、貴方の言う通り、こちらのコーヒーはとてもおいしかったです」


「ありがとうございます!」


 コーヒーの味をほめられ、なぜか小林さんが嬉しそうにしていた。

 前回はお客さんだけ先に帰ってしまったけれど、今回は二人一緒に出るようだ。

 レジで精算を終えた小林さんが「また来ます」と呟くと、連れのお客さんも「僕もまた来ようかな」と続けた。


「はい、いつでもお待ちしております。本日はありがとうございました」


 俺とさゆりさんはおじぎをして二人を見送った。


「なんか、こういうのいいですね」


「こういうのって?」


「うまくいえないっすけど。人と人が出会って、繋がって、また新しい出会いが生まれる、みたいな。その瞬間に立ち会えて嬉しいって思います」


 

 

 
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