喫茶リリィで癒しの時間を。
昨日、クラスで一番仲の良い友達と一緒に家でゲームをしていたとき、何気なく“明日サボろうかな”と呟いたことがきっかけで喧嘩になった。
ただでさえ登校日なんて面倒なのに、こんなことになってさらに憂鬱になっている。
あいつは絶対に来るだろうし、できれば顔を合わせたくない。
ジジイトリオとはいえお客さんの前だというのに、大きなため息をついてしまった。
そんな俺を優しく諭してくれるのは……やっぱりあの人。
「でも、お友達のほうが正しいって思ったから、ちゃんと学校に行くことにしたんですよね?」
「……はい」
「それでしたら、早く謝って仲直りしたほうがいいですよ? 間違っていることは間違っているって注意してくれる存在は貴重ですから」
「そういうものなんですかねぇ」
さゆりさんがせっかくアドバイスしてくれたのに、いまいちピンとこなかった。
俺は真面目すぎる友達よりも、一緒に悪ふざけできる友達のほうが楽しくていいと思ってしまう。
「ワシからすれば、小僧の悩みなんて鼻くそみたいなもんじゃ」
「はあ? なんだよそれ。って、汚ない例えすんじゃねーよ」