喫茶リリィで癒しの時間を。
 
「……八百屋はもう来とるんか」


「休憩室で待機してもらっています」


「そうか。ワシが正しいということを、ちゃんと見せつけんといかんな」 


「白井さんは、ちゃんとわかってると思うよ。自分の子供のことだから、ついカッとなっちゃったんじゃねーの」


「……まあ、その気持ちもわからんでもない。ワシも娘のこととなると人が変わるからのう」


 鈴木のおっさんに娘がいるなんて初めて知った。

 こんな頑固オヤジが父親だったら、いろいろと苦労しそうだな。娘に嫌われていたりして。……うん、ありえる。

 三人にアイスコーヒーを出してしばらくすると、さゆりさんが女の子を連れて戻ってきた。


「ただいま戻りました。実可子ちゃん、カウンター席に座ってくれる?」


「うん!」


 実可子ちゃんはショートヘアで、Tシャツに短パン、サンダルという服装をしている。いかにも元気いっぱいの子供という印象だ。

 二人を比較すると、あいちゃんは大人びているのかもしれない。

 
 
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