らずべり味〔徒然日記〕
「お店を予約してあるので、そこでいいですか?」



そして今度は、和食のお店だった。




着物を着た店員さんに案内されたのは、個室だった。


それも8畳くらいありそうな、広い部屋。




お料理も、食べ終わる頃に次が運ばれてくる上品さ。



「遠慮なく、飲んで下さい。」



彼が飲み物メニューを渡してくれる。




「はぁ… そちらも…」



「いえ! 僕は車ですから!」




ですよね…



でも男性がノンアルコールなのに、女がグイグイ飲むのって…



自慢じゃないけど、私けっこう強いし。



頬も染めずに日本酒を飲む女。



可愛くない。




それに、広い部屋にポツンと二人だけ。




会話が途切れるとシーンとなって、息がつまりそうになる。




パコーンと、ししおどしでも、鳴って欲しいくらいだ。





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