らずべり味〔徒然日記〕
デザートが終わったところで、化粧室へ。




初対面の人と完全な個室で過ごす緊張感。



静かにならないよう、テンションを上げて続けた会話。




「はー… 疲れた。」



トイレで、ぐったりとうなだれた。




さて…



まだ、そんなに遅い時間ではない。


もう一軒くらい行くのかな。



喫茶店とか。




そんな事を考えながら戻ると、もう彼は会計を済ませていた。



払うと言ったが、結局おごってもらうことに。




店を出て車に乗ると、彼は何も言わずに運転。






「じゃ、おやすみなさい。」



家の前で車は止まり、彼が微笑んで、そう言った。




「ごちそうさまでした。」


私も笑顔で車を降りた。



そのまま、車は静かに走り出した。




次の約束、しなかったな。



ま、会いたいなら連絡くるでしょ。





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