らずべり味〔徒然日記〕
ホテルへ戻ると、みんなも帰っていて、部屋には友人がいた。




私も少しずつ落ち着いてきて、これからの行動を考えられるようになってきた。



でも…



夜ベッドに入っても、寝つけない。



ウトウトしても、すぐに目覚める。



落ち着いてきたつもりでも、やはり相当なショックだったのだろう。






翌日の午後、自由時間があった。



一文無しでは不自由だろうと、添乗員さんが5万円貸してくれた。



友人の頼まれバックもあるし、買い物に行こうとしたが…




ホテルの玄関から、どうしても外へ出られない。




全ての人が怖く思えて、体が動かない。




友人に素直にそう言うと、また黙って側にいる。




しばらくロビーにいると、ちょっと動けそうな気がして、フロントでタクシーを呼んでもらった。





その時は、『私が動けないんだから、彼女がタクシー呼んでくれればいいのに』と思ったりもしたが。




今思えば、私の気持ちが落ち着くのを待ってくれたのかもしれない。






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