それでは始めましょう
それでは始めましょう
カタカタカタカタ…
時刻は定時を1時間は過ぎている。
手元にあるのは山のような伝票。
それを悪びれもせず置いていった課長はもうとっくに愛しのご家族のもとへ。
残った私は怒りを指先にこめ、まるで親の敵のようにテンキーをたたく。
「お疲れ~っ、てか、お前、顔恐いから」
そう言って私のデスクに缶コーヒーを置いてくれたのは同期の男。
「だって見てよ。この伝票の山。あの課長、ホントムカつく。早く禿げればいいのに…」
「いや、もう禿げてるでしょう」
私の吐いた毒のその上をいく毒を吐く。だが、実際に課長の頭は、……ちょっと、いや、かなり寂しい状態ではあるが。
私の目の前のデスクに座った同期の男はこの時間からPCを立ち上げている。
「ガンちゃん、まだやるの?」
「ん?あぁ、ちょこっとだけな。今行ってきた取引先の情報入力しとこうかなってさ。」
さすが、『できる男』と言われるひとは違いますなぁ。
そう思いながら見ていると、
「なんだよ?」
「いえ、なんでもございません」
睨まれたのでごまかしてみました。
時刻は定時を1時間は過ぎている。
手元にあるのは山のような伝票。
それを悪びれもせず置いていった課長はもうとっくに愛しのご家族のもとへ。
残った私は怒りを指先にこめ、まるで親の敵のようにテンキーをたたく。
「お疲れ~っ、てか、お前、顔恐いから」
そう言って私のデスクに缶コーヒーを置いてくれたのは同期の男。
「だって見てよ。この伝票の山。あの課長、ホントムカつく。早く禿げればいいのに…」
「いや、もう禿げてるでしょう」
私の吐いた毒のその上をいく毒を吐く。だが、実際に課長の頭は、……ちょっと、いや、かなり寂しい状態ではあるが。
私の目の前のデスクに座った同期の男はこの時間からPCを立ち上げている。
「ガンちゃん、まだやるの?」
「ん?あぁ、ちょこっとだけな。今行ってきた取引先の情報入力しとこうかなってさ。」
さすが、『できる男』と言われるひとは違いますなぁ。
そう思いながら見ていると、
「なんだよ?」
「いえ、なんでもございません」
睨まれたのでごまかしてみました。
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