それでは始めましょう
離れていく唇に名残惜しさを感じていると、また今度はチュッと音を立てられ、またすぐに離れていく。唇、頬、おでこ、まぶたと順番に唇を落としていった。

「透子…」

甘い声で名前を呼ばれ、ボーッと彼を見上げる。

「ははっ、真っ赤だ」

そうやって笑うガンちゃんの耳だって真っ赤だ。

「透子、確認させて。さっきの言葉、オレのこと好きってことでいい?」

改めて聞かれ、更に顔が赤くなっていくのがわかった。

「うん…気づいた…私、そうみたい」

「いやいや、そこははっきり言いましょうよ、透子さん」

明るくふざけて言っているけど、ちょっと不安そうな顔をしているガンちゃんが愛しく感じた。だから。

「私、ガンちゃんが、…航大…が好き!」

はっきりと言い切り、航大の唇に自分からキスをした。

耳だけじゃなく、顔も首までも全部真っ赤になった航大は

「なんだ、お前、かわいいじゃないか。やべ、何、こんな可愛くなっちゃうわけ?それは想定外でしょ、ずるいだろ」

一人焦って喚いたあとに、また私の頬を両手ではさみ

「オレも透子が大好きだ!」

とキスをした。






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