それでは始めましょう
二人して真っ赤になりながらキスをしている様子に同時に吹き出してしまった。

「何やってんだろうな、オレ達」

「照れますわね」

「うん、テレる。だけど、嬉しい」

「うん、私も嬉しい」

こんなに自分の気持ちを素直に出せるのも嬉しい。

そう伝えると優しい目をして、優しい手で頭をなでてくれた。

「大丈夫。受け止めますよ。てか、素直な透子、可愛すぎて襲いたくなるな」

「何をおっしゃいますの!破廉恥な…」

両腕で自分を抱くようにして離れると、『良いではないか』と近き、強く抱きしめられた。

「てかさ、当たり前でしょ。好きな女抱きたいって思うのはさ」

耳元で囁かれ、全身がブルッと震えた気がした。

「うん、私も好きな男の人に抱かれたいって思うよ」

「おまっ!はぁー、素直すぎっつうか、なんつうか…」

頭を抱え込んだ航大に笑ってると、

「透子?帰るよ、支度して」

「え?私まだ伝票残ってるよ?」

勝手に私のPCを保存し、シャットダウンしている。

「今日中じゃなくていいんだろ?それにあとはあの禿げ課長にやらせろ。ヤツがこんなに溜め込んだんだから」

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