* Wonder-room…No.7 *
いつの間にか 大秦さんが私の部屋に運んでくれたみたいで、目覚めると自分の部屋にいる。

しかも、自分では絶対着ないし選ばないベビードールの可愛らしいナイティを着ている…

誰が、何目的で?

「寧々ちゅわ~ん。起きたの?か、可愛い過ぎ。ぼ、僕が抱っこしてあげる。」

輝君、あなたでしたか…犯人は。

布団から少し引きあげられ、後ろから抱きしめてきた。

「寧々、僕にこうされるのいや?」

輝君は声音を変えて 私の耳朶をわざと掠めながら囁く。

ズルい…輝君の仕事は声優。プロの甘い声で頭がくらくらする。

「いやじゃ…ない…」

普段の私なら、絶対言わないのに、完全に輝君のペースに持っていかれている。

「寧々、いい子だから 僕がたっぷり可愛がってあげる。」

頭では、だめ…輝君から離れなきゃと思っているのに、体は輝君に任せてしまっている。

「寧々 僕の方に向いて…こらっ、そんな潤んだ目で見たら どうなるかわかってる?」

輝君の声は本当にヤバい。私が私を抑制出来ない。何でも言う事を聞いちゃいたくなる そんな声。

お願い。私を好きにしてもいいよ‼と
心の声は言うけれど…実際の私は…

「輝君の意地悪…」
と 泣いちゃうだけなのであった…






< 15 / 138 >

この作品をシェア

pagetop