* Wonder-room…No.7 *

大人の行動

車で大きなアウトレットモールに連れてもらった。

「愛斗さん ありがとうございます。帰りの時間に私合わせますから、また連絡して下さい。」

「連絡しない」

えっ何で?

「さぁ、何処から回る?俺が選んで買ってやるよ♪」

今まで見た事もない ご機嫌な愛斗さんがにこやかに手を差し出し 私を自分の方に引き寄せる。

私は自由時間を満喫する為に来たのにと 不満顔で愛斗さんを見る…

「…」
まただ。ぎゅっと抱きしめられ キス。

「…んな顔で見んな。抑え効かなくなる。買い物止めて 別の場所行くか?」

はい?訳わからない。

「嫌です。私はここに買い物に来たんです。今日は 沢山買うんだから。」

はぁ~とため息をつかれながら
「仕方ない、今日の所は許してやるか。じゃあ行くよ…」

手を腰にと 当たり前のように添えて 密着状態で私を連れ出す愛斗さん。

大人の色気満載だ。まぁ素敵男子だし…通り過ぎる女の人が 愛斗さんを見ていく。隣の私もついでに見られ 何とも複雑。

純粋に買い物の事だけ考えたいのに…と思っていると

「チッ。ムカつく…」
何?私何もしていないけど、愛斗さん怒らすと厄介だから困る。

「寧々、ちょっとこっち。」
私を人気のいない階段に連れていき、見つめてくる。

「寧々、買い物やっぱ止めて帰ろう!俺が無理…」

どうして?まだ何にも買い物もしてない。初めて自分で好きな物を選べると 楽しみにしてるのに酷い。自然と涙が目に滲んで…泣くのを我慢していた。

「あ~もぅ。俺が悪かった。泣かせるつもりはない。たた俺が嫌なだけ。我慢するから、泣くな。今後、その顔 俺意外に見せるの禁止。」

色々意味不明な言葉が飛び交う中、またキスをされ、モールの中をピッタリと抱き寄せて歩くのであった。



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