* Wonder-room…No.7 *
次の日 煌さんの言ってたスケジュールを進行する。

若干23才 ぺーぺの新入社員擬きの私が 会社の専務をしている。

これ おかしいはずなのに、どこの関連会社の挨拶でも やたら受けが良かった。

それもそのはず…小さい時から 良く知ってるお兄さん達が、簡連会社の社長や偉いさんになっていたから。

「寧々ちゃん。大きくなって美人さんになったねぇ。」とやたらまず誉められる。

「たか社長と奏夢君と力を合わせて 頑張るんだよ!」と応援され、終いに「うちの息子の嫁にどうだろう?」とまで言われるくらいだ。

中々 思ってたのと違う扱いに、戸惑いながらも 皆の期待を裏切らない仕事をしようと 反対に燃える私がいた。

「姫は人徳がある。皆に愛されていて 羨ましいよ。」

煌さんが少し寂しげに呟いていた。

「俺は実の親父からも 期待されていないからね。回りの評価もだ。」

「煌さん そんな事言わないで下さい。私は煌さんと一緒に仕事をして日が浅いですが、クールに切れっ切れの 的確で迷いなくお仕事を進められる人だって わかってますから。」

「姫…君って。はぁ参ったな…」

優しく微笑む王子。
「そんな事言ったら、俺本気になっちゃうよ。いいの?」

えっ。私何かした?煌さんはいつだって私を惑わす 予測不可能なあり得ない行動を起こす人。

だから、あまり本気にしない様にしようと、勝手にこの話はなかった事にした。




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