* Wonder-room…No.7 *
お昼休みに 煌さんがランチに連れ出してくれた。

私の体を気遣って お粥専門店に行く。

胃に優しい お粥は私の心もほっこりと少しだけ回復してくれた。

「煌さん、ありがとう。」

「……姫…そんな弱い目で俺を見ないでよ。俺マジで姫の事…狙っていい?」

真剣な煌さん。私のお気に入りの顔と声が近い。

「私ね昨日初彼が出来て、1日で振られたの…」

「それ誰?言えよ…」

あの…もの凄い空気が一瞬の内に変わり、ここさっきまでと同じ場所?みたいな ヤバい空気が漂っている。

何?どういう事?煌さんが機嫌えらく悪い?
下を向いて俯いていると…

「俺の話聞いてた?店出るから、早く行くよ。」

と私を引っ張り 車に乗せた。

「で、さっきの説明してよ。」

怖いんですけど…綺麗な人の表情のない冷たい目は 何もかも凍らしてしまいそうなほど強烈で半端ない凶器だ。

「寧々。俺…」

煌さんが私を抱きしめようとしたが、私はその手からするりと交わし

「私、今は誰にも触れられたくない!!」
車から降り 走って逃げ出した…

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