年下属性はありません!
「はい,授業を始めます!みんな問題集の続きのページから解いていってくださーい」

「は?嫌だし。俺はやりませーん!」

さっそく俊明君が反乱を起こす。

「そんなこと言っちゃだめなんだよ。ちゃんとやらなきゃ」

小学2年生の真里亜(マリア)ちゃんが俊明君を注意するというカオス。。。

女子は,ほんと子供の頃から大人だなぁ。

「そうだよ,俊明君,年下の真里亜ちゃんの方がちゃんとやってるじゃん。」

「年なんて関係ねーし!俺はやりたくないの!」

「ほら,他の子の迷惑になるから。年は関係あるでしょ。お兄ちゃんなんだから,しっかりしないと。」

「先生いくつー?」

突然後ろから打たれる。聞いたのは,成海(ナルミ)ちゃん(4年生)。

「うっ」

子供の頃は,なんで女の人は年齢(と体重)を隠すのか不思議だった。

先生の歳が30だろうが,40だろうが,何も変わらない。

でも,この歳になるとわかる!

恥ずかしいのだ。

キラキラ輝く若さいっぱいの子たちにたいして,自分が三十路であることを明言することがなんだか恥ずかしい。

別に悪いことは何もないのに,できれば隠しておきたい。

でもここで「ひ・み・つ」なんて言うのも大人気ないし,何より子供が納得しないことはよく分かっている。

子供にとっては30も40も変わらなくても,それでも知りたいのだ。あー言いたくないけど。認めたくないけど!

「さ,30歳だよ」

笑顔が引きつる。

「えー」

みんな一斉に声を上げる。

30歳なんて,未知なんだろう。


「20歳超えてないかと思った~」

真里亜ちゃん,君は天使か!!!大人の女性の心を掴むのがうますぎる!!

「先生,白髪あるよ」

俊明君,君はもうちょっと真里亜ちゃんを見習おうな!
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