年下属性はありません!
「高校,どう?楽しい?」

「楽しいというか忙しすぎて大変です。通学だけでも一時間以上かかるし」

中学校はすぐそこだが,高校は街中なのでバスで通わないといけない。

私は田舎の高校だったので自転車で通っており,ラッシュとは無縁だったが,都会の子は大変だなぁと同情する。

「勉強も大変で,宿題多いし。入学するなり大学受験のこと言われるし,中学とは違いますね」

懐かしいなぁ。高校は宿題をこなすだけで大変だった。

「まぁ和也君は要領いいし,なんとかなるでしょ」

「俺はそうでもないですが,正行が同じクラスなんでいろいろ頼ってます。あいつはやっぱり只者じゃないっす」

高校でも正行・和也コンビ健在かぁ。モテそうだなぁ・・・

「で,今日はどうしたの?」

「今日は,実は」

そう言って和也君は小さな紙袋を机の上に置いた。

「これ,プレゼントです」

「プレゼント?」

「はい。誕生日の。一日早いですけど。」

えーーーー!覚えててくれたんだ!

そう言えば去年一度そんなこと言ったなぁ!

「ほんとに!?開けていい!?」

嬉しい!男の人からプレゼントもらうなんて,何年ぶりだろう・・・


きれいなリボンを解いて,包装紙を丁寧に開いていく。

中からは小さなかわいいネックレスが出てきた。

「ほんとは指輪を渡したかったけど,サイズがわからなくて」

「かわいい!!ありがとうー!!」

和也君,こんな素敵なプレゼントを・・・

こないだまで中学生だったのに大人になったなぁ。

「先生,俺」

「ん?」





「俺,高校性になりました。俺と付き合ってください」
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