年下属性はありません!


「やっぱりそれは無理だよ」




和也君の目が点になった。

「・・・一年間待ったのに・・・」

ものすごい落胆ぶりだ。

テーブルにうつ伏せになってしまった。


「冷静になったら,やっぱり和也君はまだ高校生だしさ,未成年だから。お付き合いするのは無理だよ」

それが私が一年で出した結論だ。ごめん,和也君・・・

「正行が」

和也君がうつ伏せのまま口を開く。

「え?」

正之君?聞き間違い?



「親の同意があれば,大人の人でも未成年と付き合っていいって言ってました。」

「うっ」

正行君,なんていう入れ知恵を・・・

「先生!うちに来てください!親に会ってください!」

な,なんてことに!!!!

彼氏の両親に挨拶なんて,今までの人生でしたことないっつーの。

私の経験値なめんな!

「ま,待って待って。落ち着いて!」

「親の同意なしに,未成年とデートしたら誘拐らしいですよ」

顔をあげた和也君の目は心なしか座っているように見えた。

「は?」

「俺,今日このまま家に帰らなかったら,親が捜索願出しますよね。そうしたら,先生のところに警察が行くと思います」

なんか,脅迫されてる,私・・・

「それも正行君のアドバイス・・・?」

「さぁどうっすかね」

和也君はぷいっと横を向いてしまった。

というか,正行君はどこまで知ってるんだ。
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