年下属性はありません!
「木村先生のことが・・・」

「お疲れ様でーす!」

勢い良くドアがあいて,高山先生が教室に入ってきた。

「お,お帰りなさい!」

手を振り払って高山先生に挨拶を返す。

大丈夫,きっと大丈夫。

ブースごとのパーティションは上半分は透明だが,下半分は見えなくなっている。

手首は見えていないはず。

「あれ,和也君まだ残ってたの?」

パーティションごしに,高山先生が和也君に声をかける。

和也君が私から目線をそらして答える。

「はい,わからないところがあって,木村先生に聞いてました」

「そう,だけどもう遅いから帰らないと。」

「今帰るところっス」

すでにまとめていた荷物を肩にかけて,和也君は教室の出口へと向かう。

「お疲れ様,気をつけてね」

笑顔で手を振るが,笑顔になっているだろうか。。。無理だな。

頭がぐるぐるして,掴まれた感触が手首に残っている。

さっきのは一体何だったのだろうか。
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