年下属性はありません!
「嫌いじゃないし,だめじゃないよ。生徒としてはむしろ好きだし,彼氏としては私にはもったいないよ。ただ,君は未成年だ」

私は精一杯誠意を込めて返答した。

伝われ!私の思い!

ぱっと和也君の顔が輝く。

「まじっすか!じゃ,俺諦めません!」

「はい?」

あれ?あれ?

「迷惑なら身を引くしかないのかと思ってたけど,今の話を聞くと,先生も俺のこと好きなんですよね?」

「いや,生徒としてね・・・」

「先生に付き合ってもらえるまで,俺,絶対諦めません!ありがとうございました!」

丁寧に頭を下げて,和也君がブースから出ていく。

いつの間にか来ていた友達と,自習室で合流して楽しそうに話している。

あれ,私,どこか間違えた・・・?

そして,進路相談は?

**********

その日の,最終授業後,和也君が私のところに宿題のプリントを提出に来た。

「先生,これ宿題,もうできたんで。」

「あ,早いね!」

「あと,先生に進路のこと相談したいんで,これ」

プリントには付箋が張ってあった。

「まじで,結構悩んでるんで,連絡ください。じゃあさようなら」

そう言って和也君は友達と帰っていった。





付箋には,ラインIDが書かれていた。
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