年下属性はありません!
結局あれから数十分悩んで,和也君には何も送らずに寝た。

やはり逮捕はまずい。

今日も塾来るのかな。。。

「お疲れ様です」

「あ,木村先生,お疲れ様でーす」

いつも通りの高山先生の笑顔。



そこに見慣れない男性がいた。

真っ白いシャツに,グレーのパンツ。

髪の毛はちょっと派手にセットされていて,目つきが鋭い人だった。

おそらく年齢は私より下。誰かの保護者ではなさそうだ。

「今,ちょうど木村先生の話をしてたんですよ。」

「どうも,本部の今元です。」

笑顔で挨拶された。

「今元主任はこれからしばらくこの教室に顔出されるそうですよ」

えっ,知らない人(しかもなんかうさんくさそう)が,塾にいるのは,それだけでなんだか気が重いな。

おそらく,本部の指示通りちゃんとやってるか監視されるわけでしょ。

もちろんちゃんとやることは大事だけど,私はその子,その先生によって臨機応変にやりたいし,やってもらいたいんだよねぇ。

全員同じ方法で教えるだけで,成績が上がるわけないじゃん。

うんざりした感情をさとられないように笑顔を作った。

「わかりました。これからよろしくお願いしますね」

当たり障りなく対応して,しのごう。

しばらくっていつまでなんだろう。
< 28 / 111 >

この作品をシェア

pagetop