年下属性はありません!
「僕,いつも車で行って代行で帰るので大丈夫ですよ。家はこの教室の近くですよね?高山先生も乗せていく予定ですし。」

そっか,高山先生も一緒なら,私だけ断るのも感じが悪いかな。

「それじゃあ,お願いします。なんだか申し訳ないですが。」

「いえいえ,こちらがお誘いしたので。熊野も自分の担当の教室長さんを乗せていく予定ですし。」

そんなもんなのか?と思いつつ,うちの近所のコンビニの場所を教えた。

そこで拾ってもらう予定だ。

そのとき,今元主任の携帯が鳴って,教室から出ていった。

熊野さんと二人になって,それはそれで気まずい空気が流れた。

「親睦会,楽しみにしていますね」

「それを聞いたら今元主任も喜びますよ。今元主任,木村先生のこと相当気に入ってますからね」

にこやかに熊野さんが答える。

上司が上司なら,部下も部下で口がうまいな。

「そんなことはないと思います」

大人の貫禄を見せてにこやかに流す。

「いつもだったら,教室長さんを招待することなんてないですからね。今回は今元主任の提案で,各教室長さんにもお知らせしたんですよ。」

「そうなんですか?光栄ですね」

「おっと,なんて話をしてたら,今元主任が戻ってきた。今のは聞かなかったことにしてください」

今元主任が携帯片手に教室に入ってくる。

「おい,熊野余計なこと木村先生に言ってないだろうな」

「言ってませんよ」

今元主任は疑いの眼差しで,熊野さんを見ている。

「口説いたりしてないだろうな」

は!?ちょっと何言ってんの!

「するわけないじゃないですか」

笑いながら熊野さんが答える。

熊野さんはドンペリよりもさらに若い。24,25といったところだ。

ほんと,冗談にしても,熊野さんに失礼だから辞めてほしい・・・
< 43 / 111 >

この作品をシェア

pagetop