年下属性はありません!
ネットで見た通りおしゃれな店だった。よかった,頑張ってスカートを履いてきて。

窓際の席に案内され,景色も抜群によい。これがイケメンの力か。

さて,どこに座ろうとみんながお互いの顔色を伺っていたところ,

「木村先生,隣に来てください」

ドンペリに呼ばれた。

正直知らない人に囲まれるのはきついなと思っていたので,助かる。

私の前と,横にそれぞれ部下の女の子を座らせてくれた。

ドンペリやるじゃないか!

美味しそうな料理が運ばれてきて,親睦会が始まった。

相変わらず熊野さんが働き者で,誰かのグラスが開くと,率先して注文をしてくれた。

体育会系の乗りである。

私も一杯目のワインを飲み干したところで,熊野さんが声をかけてくれた。

「木村先生,おかわりいかがですか」

「熊野さんすみません,なんだか全部やってもらって」

「いえいえ,僕が一番下っ端なんで」

「木村先生,何を飲みます?」

ドンペリがメニューを取ってくれた。

「それじゃ,このワインを・・・」

「ワイン好きなんですね,じゃあ熊野,このワインを頼んで。あと,小川と坂口はも頼みたいなら頼め」

小川さんというのが私の前の女性で,坂口さんが左隣の女性だ。

「あれ,今元主任なんか木村先生と私達じゃ対応違いませんか~」

「私達にも気を使ってくださいよ!」
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