年下属性はありません!
そういったフォローをするのは教室長の仕事だが,高山先生が気の毒に思える。

「大変でしたね・・・」

「今元主任,そういう態度だから,生徒からもアルバイトの先生からも評判悪くて・・・まぁ本部の仕事はできるんでしょうけど,うちの大事な子たちに対して失礼な態度は取らないでもらいたいわ」

いつもニコニコして愛想のよいドンペリだが,どうやら他の先生や生徒とはあまり話さないらしい。

少し意外だった。が,それならなぜ私には擦り寄ってくるのか。

何か企んでいるのか?

私を惚れさせて,利用しようとしているのか?だったら,ここ数日のドンペリの口説き文句にも納得がいく。

高山先生曰く,ドンペリは利用価値がある人(自分の部下)などには愛想よく振る舞って,信頼を得ているらしい。

熊野さんとドンペリも仲が良さそうな感じだった。

しかし,自分の役に立たない人には見向きもしないらしい。

私には一体何の利用価値があるんだろう?

しばらく考えてみたが,全くわからなかった。

ただ,ドンペリの思惑通り好きになってしまうのは悔しい。

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