年下属性はありません!
ファミレスに到着すると,和也君がすでに来ていた。

「うっす」

なんて言っているのかよくわからない挨拶をされた。

和也君は私服だったが,いつも塾でも私服なので特に真新しくはない。

むしろたまに部活帰りに着替える暇がなかったのであろう,ジャージみたいな体操服で来るときのほうが,少しいいと思ってしまう。

制服ってのは,いい。

「そう言えば,和也君の家ってどこなの?」

「この交差点の坂を下っていったところっす。」

「それ,自転車で登ったの?」

「?そうですけど」

まじで,自転車で坂を登るなんて若いわ~

「もっと行きやすい場所でいいのに」

ちなみにファミレスとうちは数百メートルほどしか離れていない。

今日も歩いて来た。

「?」

イマイチ,自転車で坂を登る苦労が通じなかった。

日曜日とは言え,夕飯には早い時間でファミレスは空いていた。

「二人です。禁煙席で」

ここは年上の私が先に入って店員さんに人数を伝える。

変な目で見られませんように。

「和也君,ファミレスとか来るの?」

「前は家族で時々来てましたが,最近はあんまりですね。」

「友達とは?」

「飯は家で食います。腹が減ってマックに行くことはあるけど」

中学生男子だとそんなもんか。

席について,メニューを見る。ドリンクバーとフライドポテトにしよう。

「おごるから,和也君も好きなもの食べなよ」

おごるって言ってもファミレスだけどね。

「そういうわけには。俺が誘いましたし」

いやいや,中学生と一緒に来て別会計だったり,中学生が払う方がおかしいから!

ただでさえ怪しい二人組なんだから,これ以上目立たせないで・・・

「ほんとに,このままだと私不審者だから。奢らせて」

「?」

本日二回目のハテナ顔いただきましたー。
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