年下属性はありません!
その後は大した話はしていない。

和也君の担任の先生が突然切れてたくさん宿題を出してきた愚痴と,部活で足を痛めた話と,クラスの女子がくだらないイタズラをしてくる話を聞いた。

「和也君も大変だね」

「今週は次々事件が起きて,本気で大変でした。でも」

でも?

「先生と日曜に会う約束してたから,なんとか頑張れました」

こ,

こいつ!かわいいこと言うじゃないか!!!

自分で言って恥ずかしくなったのか,和也君が顔を真っ赤にしてフライドポテトを食べてるのを見ると,こっちまで恥ずかしくなる。

いつも気の利いた台詞を言うドンペリに対して,和也君は不器用だけどまっすぐだ。

ドンペリの言うことは信じられないが,この子の言う事なら信用できる。

「お,お店混んできたね。そろそろ出ようか」

ハンバーグセットはもうなくなってしまったし,フライドポテトは焦げた端っこだけになった。

夕食時になり,店内はいっぱいで,もう外で待っているお客さんもいるようだ。

「そうですね,そろそろ帰らないと親に心配されそうです」

そうだ,なにより和也君は中学生だ。

「こんな時間まで大丈夫?」

「はい,今日は部活の友達とご飯食べてくるって言ってきました」

いっちょ前に嘘なんてついて。
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