年下属性はありません!
「きれいな夜景ですね」

「そうですね,天気が良くてよかった」

確かに雰囲気はすごくいい。

コースはすでに頼んでくれていたようで決まっていたが,飲み物とオードブルとメインは選ばべるというか選ばなければいけない。

いちいちメニューの名前が長い。

ワインはドンペリが頼んでくれた。

「こういうところにはあまり来たことがないので,慣れていなくて」

えっ

今のはドンペリの台詞だ。

「そんな風には,見えないですよ」

嘘かな?女性を安心させるための罠か?

「ほんとですよ。でも木村先生をお誘いするんだから,それなりのお店がよいと思って頑張りました」

ドンペリは笑っている。

嘘かもしれないけど,嘘だとしても,結構いいやつだなと思える。

和也君は胡散臭いと言っていた。

私もそう思う。

だけど,こうやって話しているとなんだか心を開いてしまう,ドンペリはそういう不思議な魅力を持っていた。



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