年下属性はありません!
料理はすごくおいしかった。

やはり高いだけはあるな(値段知らないけど)

ドンペリとの会話も楽しかった。

お互い,少しお酒が入ったし雰囲気もよかったので,普通の会話でもいつも以上に盛り上がった気がする。

話した内容は仕事のことがメインで,塾はもっとこうするべきだとか,生徒を増やすためにはとか,アルバイトの先生方の接し方とかそういうことを熱く語っていた。

男の人って仕事の話好きだよね。

普段だったら「めんどくさい」と思うような話も,お酒のせいか気分が良くて素直に聞けた。

転職してまだ一年の私には勉強になる話ばかりだった。

なんだかんだ言ってドンペリは若いのにそれなりの地位にいるし,仕事ができる男なのだ。

生徒にも胡散臭いと思われているけれど。

まぁそこは適材適所というか,私みたいに生徒から一番近い場所にいる人間は生徒から嫌われていたら商売にならないが,ドンペリみたいな仕事であれば生徒からの信頼などは関係ないのだろう。

食事が終わると,レストランもそろそろ閉店の時間が近づいてきた。

こういうところは閉まるのも早い。

「もし木村先生さえよければ,まだ時間も早いですし,上の階のバーにでも行きませんか?」

ほんとに昔のトレンディドラマみたいな人だなと思うと吹き出しそうになったが,そこはぐっと抑えた。

お酒のせいでちょっとテンションがおかしい。

「そうですね,行きましょうか」

お会計は,まぁ想像通りドンペリが払ってくれた。

値段が値段だけに申し訳ない気もしたが,私が和也君に支払わせるわけにはいけないのと同じような感じだろうと思って素直に甘えた。

「上では私が出しますよ」

「じゃあ,高いお酒飲まないといけないですね」

ドンペリのくだらない冗談に笑いながらエレベーターに乗った。
< 71 / 111 >

この作品をシェア

pagetop