年下属性はありません!
「腹減ったなー,和也,部活のあとマック行こうぜ」

「わりぃ,俺塾に行くわ」

「最近いっつも塾行ってんな。部活のあと少しくらい時間あるだろ」

「家帰って風呂入っていくから時間ねーんだ」

「そのまま行けばいいじゃねぇか」

馬鹿野郎,汗臭かったらどうするんだよ。

適当にごまかして,部活が終わったらすぐに帰る。

その頃,俺が塾に夢中になってるのを知っていつも一緒にいる智も行きたいと言ってきた。

別にいいかと思い,智も連れてった。

何回か体験授業を受けてすぐに入った。

俺はいつも智を引き連れて塾に行くようになった。

まぁ勝手についてきただけとも言えるが。

一人で行くより二人で行くほうがやっぱり楽しい。

「最近お前らいつも一緒だな。」

バスケ部の他の連中に突っ込まれた。

「塾行ってるだけだよ」

「へー,そんなに塾っていいものなの?」

正行が話に入ってきた。正行とはもともと同じバスケ部だったが,2年生から同じクラスになってよく話すようになった。

「塾やっぱり分かりやすいよ!正行も一緒に行く?」

智が無邪気に誘う。

「今度行ってみようかな」

「でもお前成績優秀じゃん」

正行が塾に来ることに少し抵抗があった。

「これから難しくなるって兄貴も言ってたしなぁ」

正行はバスケもうまいし,イケメンだ。

そしてなにより性格がいい。

俺はクラスでも何考えているのかわかんないやつがあまり好きではない。(そしてそいつらも俺のことがおそらく嫌いだ)

授業のサッカーでいつも足引っ張る中井とか,なんでできないんだよと思ってしまう。

だけど,正行はなんでもできるくせに,そいつらにも積極的に話しかける。

「どうやったら上手く蹴れるんだろうね。ちょっとサッカー部の曽根に聞いてみようよ。」

曽根も中井とは仲が良くないはずだが,正行に聞かれると素直にアドバイスしていた。
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