年下属性はありません!
告白,か。

俺だって全く考えてないわけじゃなかった。

周りには,正行みたいに付き合ってる奴もいれば,振られただの振っただのの噂話が流れてくることもある。

俺だってクラスの女子に告白じみたことを言われたこともある。

でも結局なんだったのかは良くわからなくて,放置してたらいつの間にかそいつは野球部の先輩と付き合っていた。

そういうわけで,俺も自分が告白するシミュレーションと,先生に告白されるシミュレーションは日々していた。

だが,実際告白するとなるとどうしたらよいのか分からなかった。

そもそも付き合うってなんだ?どうすんだ?

告白するにも塾で二人きりになる瞬間なんてない。

そして先生はどう答えるんだ?俺のことどう思ってるんだろう。

「考えすぎだよ。付き合うって言ったって,別にお前らとやってることは変わんないよ。一緒にご飯食べたり,休みの日に,買い物に行ったり」

「付き合うって何?」正行先輩に聞いてみた返事だ。

「まぁ俺の場合相手が高校生だから,カラオケにもよく行くかな。ほら,あの陸上部の川上,あいつは彼女と一緒にフードコートでたこ焼き食ってたよ。そんな感じじゃない?」

木村先生とたこ焼きか。悪くない。

「でも二人きりになんなきゃ告白何て無理だろ」

「まぁ確かになー。先生相手だと,連絡先も知らないしな。」

俺としても告白する機会を虎視眈々と狙っていたが,そうそう簡単に二人きりになるチャンスはなかった。
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