年下属性はありません!
言えた!言えた!

先生はぽかーんとしている。

返事はどう来る!?

しばらく時間が流れた。心臓がドクドクと鳴っている。



・・

・・・

「あの,私の授業,分かりやすい・・・?」

「いや,そうじゃなくて,いや,そうなんですけど。授業わかりやすいですけど,俺はそれが言いたいわけじゃなくて。」

つ,伝わっていないのか!?

もう一度,もう一度ちゃんと言わなきゃ

「木村先生のことが・・・」

「お疲れ様でーす!」

勢い良くドアがあいて,高山先生が教室に入ってきた。

ま,まじかよ・・・。

俺は手を離した。

木村先生もいつも通りの雰囲気で高山先生と話している。

俺は片付けを始めた。

「あれ,和也君まだ残ってたの?」

「はい,わからないところがあって,木村先生に聞いてました」

「そう,だけどもう遅いから帰らないと。」

「今帰るところっス」

カバンを肩にかけて,教室の出口へと向かう。

「ありがとうございました」

木村先生に頭を下げた。

「お疲れ様,気をつけてね」

先生は何事もなかったかのように笑顔で手を振っていた。
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