年下属性はありません!
駐輪場の自転車にまたがって考えた。

とりあえず俺の気持ちは伝えた。ちゃんと本気だと伝わっているのか少し怪しいところはあるが。

あとは木村先生の返事待ちだ。

木村先生は明らかに驚いていたから,おそらく俺みたいにシミュレーションできていないだろう。

木村先生の心が決まるまで待ってみようと思う。

と,その時俺は重大なことを思い出した。

木村先生の彼氏の有無を確認していない。

④彼氏がいるから,ごめんなさい。

だ。

もちろん,彼氏がいることを想定していなくはなかったが,焦って確認を怠ってしまった。

「それだけは確認しなきゃな」

だけどどうする。二人きりになれるチャンスなんてそうそうないぞ。

木村先生だっていつか帰るだろう。ちょっとここで待ってみるか。

高山先生と一緒に帰るんだったら聞けないが,一人で帰るなら簡単に二人きりになれる。

俺は塾の駐車場のところで待機することにした。

なんだかストーカーみたいだな・・・

いやいや,毎日待ってたらストーカーだけど,今回だけだ。

それなら大丈夫だろう。

俺はスマホを取り出して,携帯ゲームで時間を潰すことにした。
< 89 / 111 >

この作品をシェア

pagetop